2012年7月14日土曜日

クーポンビジネスの話

グルーポンをはじめとしたクーポンビジネスが、話題を集めている。悪い意味で、であるが。

問題となっているのは、ご存知のとおりのおせち騒動。”2万円のおせちが1万円!”として発売したが、届いたものは極めて低品質なモノ。さらに遅配まであったことから、グルーポンと発売元の飲食店が激しい批判にさらされている。

なぜこのようなことが起こったか?

その要因は、グルーポンのシステムを、”広告モデル”ではなく、"販売チャネル"として誤って捉えたことにあると思う。

本来、このようなクーポンビジネスは、"広告"としての機能を果たすべきものだ。
広告主はグルーポンに広告料を払ってグルーポンのWebサイトに 掲載してもらい、さらにサービスを格安で提供する。顧客はグルーポンのサイトから気になるサービスを格安で購入し、サービスを受けて気に入ればリピーター となってさらに金を落とす。クチコミで他人に広める、ということもあるだろう。また、クーポンを購入しなかった顧客にも、店名やサービス内容ぐらいは伝わ る。
Webでの情報伝達がすさまじいことを認めた上での、新しいビジネスモデルだ。

今回の騒動では、どれほどの人がこのビジネスモデルを正しく認識していただろうか。
顧客は、これを認識する必要はない。好きなサービスを購入するだけだ。きちんと調べてからクーポンを買え、と思う人もいるだろうが、認知度の低い店が広告を出すのだから、基本的にはそれは必要ないはずだ。広告主とグルーポンに正しい認識があれば。
グルーポンはどうか。インターネット上では、グルーポン側が無理な営業を行っているという説もある。1万円のものを5千円で作って、手数料5千円をグルーポンに払ってくれ、と迫っているという説だ。
この営業も、批判されているようだが、言い方がどうであれ、この支払い関係はおかしいとは思えない。グルーポンはあくまで"広告"であり、利益を出す場ではないからだ。

では広告主はどうか。今回のケースでは、明らかにグルーポンを広告として利用していない。"広告主"は真に広告主ではなく、販売主なのだ。利益が出ない値段で売るから広告になるところを、利益を出そうとするから無理が生じる。今回の騒動で"主犯"と言っていいだろう。
それを理解させないような営業をグルーポンが行っているとしたら、グルーポンも共犯といえる。

騒動によって、広告主(販売主)と、グルーポンには強い批判が浴びせられている。広告主、グルーポンともに反省するところは多いだろうが、このビジネスモデルそのものが廃れていくことはあってほしくない。
アイデアに満ちたすばらしい広告モデルだ。グルーポンその他企業と広告主が、モラルを持って発展させていってほしいものだ。

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