2012年9月2日日曜日

開発現場で感じる企業文化の違い

私はソフトウェア開発をやっています。

一言でソフト開発と言っても、使用する環境、ハードウェア、顧客によって、開発手法や求められる品質も様々です。

たとえば、原子力発電所やスペースシャトルのシステム開発であれば、事故が起きたときの被害が甚大となるため、最大限に高い品質が求められるでしょう。ソフトリリース後にバグが見つかるなどもってのほかです。
自動車などもこれに近い開発品質が求められます。時々リコールしてたりもしますが。。。

これに対して、たとえばiPhone向けのアプリ。
iPhoneのアプリが暴走して死亡事故が起こった!なんてことは起こりえません。
バグがあっても、大きな被害は起こらないし、修正したファームをアップデートしてしまえば済みます。
このような開発では、高い品質(堅牢さ、丈夫さという意味での) よりも、新規性、開発スピードを求められます。

この二つの開発チームには、それぞれ異なる文化があると言え、一緒に仕事をしようとすると、その文化の違いに不満がでることになります。

前者の開発現場は成果物の品質の低さに、後者の開発現場では成果物ができるまでの期間に、それぞれ不満が出てきます。

同じ会社内であれば好き勝手言い合うことができるでしょうが、別会社に委託してたりなんかするともう大変です。
どちらも自分たちの手法に相手を合わせようと躍起になるでしょう。

携帯電話の開発などは、このような苦労が尽きないのではないでしょうか。
電話の基本機能を落とすわけにはいかない。十分な品質を保ちつつ、しかし革新的な機能も追加したい。

開発現場ではもやもやした感情が渦巻いていることでしょう。
このような環境で、いかに品質の高い成果物を作るか。
これは、長年高品質な製品を製作してきた、日本企業の課題であり、他国から一歩先を行くことができるポイントではないかと思います。

ソフトにしろハードにしろ、開発をアウトソースするケースはこれからどんどん増えてくるでしょう。
その状況下で、製品品質を保つことは容易ではありません。
しかしこの点で、日本企業は他に先行していると思うのです。

高速に、高品質に。
これを実現できるシステム作りとリーダー育成が、これからの製造業にとって重要になってくるのではないでしょうか。

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